「鹿児島の塩」と一口に言っても、その顔ぶれは驚くほど多彩です。
錦江湾の穏やかな海水を使うものもあれば、黒潮が流れる奄美群島や種子島・屋久島で作られる天日塩、さらには海洋深層水を原料にした珍しい塩まで存在します。
この記事では、鹿児島県内の市町村ごとに作られている塩を、産地・製法・購入できるお店の情報とあわせてまとめました。お土産選びや、鹿児島の食文化をもっと深く知りたい方の参考にしてください。
鹿児島に塩の名産地が多い理由
鹿児島県は南北600kmにおよび、日本一の離島面積を誇ります。
桜島を抱く錦江湾から、黒潮が流れる種子島・屋久島、奄美群島まで、海の表情がエリアごとにまったく異なるのが特徴です。
そのため、同じ「鹿児島の塩」でも産地によって塩味の強さやミネラルバランス、甘みの感じ方に個性が生まれています。
また、多くが個人の職人による手作り・小規模生産である点も鹿児島の塩の魅力です。それぞれの塩に、作り手のストーリーが色濃く反映されています。
本土エリアの塩
竜宮の塩(薩摩川内市・甑島)
甑島は国定公園に指定された、九州で唯一の海洋深層水の取水地です。
「竜宮の塩」は、この甑島沖でおよそ200年かけて熟成されたとされる海洋深層水を原料に使用。逆浸透膜で濃縮したのち、ミネラル分を損なわないよう平釜でじっくり仕上げています。
製造は「こしき海洋深層水株式会社」。楽天市場やYahoo!ショッピングでも購入できる、比較的手に取りやすい鹿児島の塩です。
こしきの塩(薩摩川内市・甑島)
同じ甑島でも、下甑町手打で作られる「こしきの塩」は竜宮の塩とは別ブランド。
海水をそのまま釜炊きする昔ながらの製法で、燃料には流木や間伐材など自然由来のものだけを使用しています。
間伐によって森の保全にも貢献しているのが特徴です。
坊津の華(南さつま市・坊津)
サンゴ礁が広がる透明度の高い坊津の海水を、太陽と風でゆっくり濃縮し、昔ながらの平釜で炊き上げる天然海塩です。
楽塩(南大隅町・佐多岬)
本土最南端・佐多岬の高台で、森大輔さんが釜焚きで作る塩です。
眼下に錦江湾を望む作業場から海水を汲み上げ、丁寧に炊き上げています。
佐多岬の観光施設ではこの塩を使ったソフトクリームやシャーベットも人気です。
錦江湾 にしきの塩(姶良市・住吉)
正式名称は「海うまれ、山そだち・錦江湾 にしきの塩」。
塩職人・黒江学さんが、山からの滋養豊かな水が流れ込む竜ヶ水の海水にこだわって汲み上げ、山の作業小屋まで運んで4日間かけて炊き上げます。
「山と海はつながっている」という思いが込められた、ストーリー性の強い一品です。
あま塩(日置市・吹上浜)
日本三大砂丘の一つ、吹上浜の沖合いで汲んだ海水を煮沸・濃縮・ろ過を繰り返して精製した塩。
かすかな甘みが特徴です。
「渚のあま塩館」で製造の様子を見学することもできます。
大隅諸島・種子島・屋久島の塩
七つの海(種子島・門倉岬)
屋久島を望む種子島最南端・門倉岬で、関塩屋が作る天日塩。
海水を釜で炊かず、風と太陽の力だけで濃縮する「枝条架流下式」という、かつて日本各地にあった塩田でも珍しい製法を採用しています。
天候に大きく左右されるため生産量は限られています。
TEN-PI-EN(中種子町)
MAOMO FOODSが手がける完全天日塩。釜も電力も使わず、冬は約2ヶ月半、夏は約1ヶ月かけてじっくり結晶化させます。
種子島の学校給食にも寄贈されている、地域に根ざしたブランドです。
ふるさと納税の返礼品として楽天市場からも申し込めます。
屋久島永田の塩「えん」(屋久島町・永田)
世界自然遺産・屋久島の永田地区で、海水を汲み上げて釜だき製法で作られる塩。
丸みのある味わいが特徴です。
奄美群島の塩
打田原のマシュ(奄美市・笠利町)
奄美大島の打田原集落で、東シナ海の海水を煮詰めて作る塩。
奄美の方言で塩を意味する「マシュ」の名がついています。
Amazonでも購入可能で、比較的入手しやすい奄美の塩です。
きかいのしお(喜界町・製塩工房 珊瑚)
珊瑚礁が隆起してできた喜界島を洗う黒潮の恵みを、多段階式平釜工法でじっくり煮詰めた自然海塩。
喜界島の特産品通販サイトなどで購入できます。
まとめ|自分好みの「鹿児島の塩」を見つけよう
鹿児島県内だけでも、これだけ多彩な塩が存在します。
共通しているのは、いずれも大量生産ではなく、地域の環境と向き合いながら手作りで仕上げられているという点です。
現地でしか購入できない貴重な塩もたくさんあるので、鹿児島に来た際にはぜひご当地の塩にも注目してみてください。


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