薩摩川内市の中心部から北西へ約12km、山あいの湯田川沿いにひっそりと佇む温泉郷「川内高城温泉(せんだいたきおんせん)」。
800年余りの歴史を持ち、幕末の英雄・西郷隆盛が好んで通ったと伝わる、鹿児島でも屈指の”ひなびた”名湯です。
今回はその温泉街の中心にある町営の共同湯に実際に入ってきたので、レポートします。
西郷どんが愛した、昔ながらの温泉街

川内高城温泉は、かつて「湯川内(ゆごうち)温泉」「高城温泉」とも呼ばれ、昭和42年に川内温泉開発協同組合が設立されたのを機に現在の名称になったといわれています。
湯治宿や小さな旅館が10軒弱、その合間にレトロな土産物屋が軒を連ねる温泉街は、時が止まったかのようなノスタルジックな雰囲気。
西郷隆盛が愛用した温泉としても知られ、数々の逸話が残されています。
昭和の香り漂う外観

共同湯の入口に到着すると、まず目に飛び込んでくるのが年季の入った木造の建物と、年代物のジュース自動販売機。
軒先にはピンクと白の提灯が下がり、「川内高城温泉」「共同湯」と書かれた木の看板が掲げられています。
入口の脇に立てられた案内板には「西郷さん愛好の湯」というタイトルで、こんな逸話が紹介されていました。
西郷さんは湯田ではよく正城(せいじょう)の家(跌助さんの家、現在の双葉旅館)に泊まっていたが、好んで隣の共同湯に入られた。
いつも隅に入られ、真ん中に入られたことはなかったそうです。
すぐ隣には「日本の名湯百選」の認定プレートも掲げられ、由緒ある温泉であることがうかがえます。
男湯・女湯に分かれた昔ながらの脱衣所

引き戸を開けて中に入ると、細長い通り土間のような造りの廊下が奥へと続いています。
壁には営業時間や入浴料金のお知らせが貼られ、料金は大人200円(町民100円)、小人100円(町民50円)と、良心的な価格設定です。
「女湯」「男湯」と書かれた小さな木札を目印に、それぞれの浴室へ。

脱衣所には鍵付きのロッカーはなく、木製の棚に荷物を置くだけのシンプルなスタイルです。
地元の方々の善意で管理されているような、どこか懐かしい雰囲気が漂います。
源泉かけ流しのとろとろ湯

浴室に入ると、こぢんまりとした浴槽が2つ並んでいます。
アルカリ性単純硫黄泉で、無色透明のとろとろとしたお湯が特徴。
高いアルカリ性の泉質から「美人の湯」とも呼ばれ、アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など皮膚疾患への効能も期待できるとされています。
すべてかけ流しで提供される、鹿児島でも屈指の名泉です。実際に入ってみると、体が包み込まれるような柔らかい肌触りで、じんわりと芯まで温まる感覚がありました。
施設情報・アクセス
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 施設名 | 川内高城温泉 共同湯 |
| 住所 | 鹿児島県薩摩川内市湯田町6465 |
| 電話番号 | 0996-28-0177 |
| 営業時間 | 11:00〜19:00 |
| 入浴料金 | 大人200円(町民100円)/小人100円(町民50円) |
| 駐車場 | 温泉街周辺に有 |
| アクセス | JR川内駅から車で約30分/肥薩おれんじ鉄道 西方駅から車で約15分(バスで約20分) |
まとめ

川内高城温泉 共同湯は、派手さこそありませんが、西郷どんゆかりの逸話と、昭和の面影を色濃く残す町並み、そして体に染み入るようなとろとろの源泉が魅力の隠れた名湯です。
観光地化されすぎていない、ひなびた温泉情緒を味わいたい方にはぜひ訪れてほしいスポットです。
近くには双葉旅館などの湯治宿も点在しているので、温泉街全体をゆっくり散策してみるのもおすすめです。
※営業時間や料金は変更される場合があります。訪問前に最新情報をご確認ください。


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