鹿児島県霧島市、天降川のせせらぎが聞こえる妙見温泉。ここに佇む湯治宿「田島本館」に隣接する食事処が「田島食堂」です。
今回は実際に訪れて食べた「あご肉定食」を中心に、お店の雰囲気やメニュー、併設する田島本館、そして看板猫まで紹介します。
田島食堂ってどんなお店?

田島食堂があるのは、明治期から100年以上続く湯治の宿「田島本館」のすぐそば。
創始者・田島十郎次が湯治場として開業して以来、地元の人々に愛され続けてきた歴史ある温泉地です。木造の建物に「田島食堂」と染め抜かれた暖簾がかかり、店先には木製のテーブルとベンチが並びます。
周囲を山に囲まれた静かな環境で、まさに「日本の原風景」と呼ぶにふさわしい雰囲気の中、ゆったりと食事を楽しめます。
温泉帰りに立ち寄る地元客や湯治客だけでなく、素朴な木造の佇まいに惹かれて訪れる観光客も多いスポットです。
メニューは麺類から定食まで幅広く

店頭のメニュー表を見ると、ラインナップはかなり充実しています。
- カレーうどん・牛カルビ丼:各1,100円
- 肉うどん:1,200円
- 素うどん:950円
- 田島カレー:1,200円
- あご肉定食:1,200円
- しょうが焼き定食:1,200円
- トッピングに生たまご(100円)、マヨネーズ・キムチ(各50円)
- ドリンクはコーラ・オレンジ・サイダーが250円
うどん類から定食、カレーまで揃っており、湯治客の「ちょっとお腹を満たしたい」というニーズにも、しっかり食事をしたいというニーズにも応えられる構成になっています。
⚫︎あご肉定食(1,200円)

今回注文したのは、看板メニューのひとつ「あご肉定食」。
黒い長皿にたっぷりと盛られた炒め物が主役で、ご飯・味噌汁・小鉢2品とともに提供されます。
あご肉は甘辛いタレとごまで香ばしく炒め上げられ、玉ねぎやピーマン、パプリカと一緒にボリューム満点に盛り付けられています。
お皿にはサラダ、プチトマトが彩りを添えていました。
小鉢にはきんぴら風の一品と、漬物、味噌汁。
品数が多く、見た目以上に満足感のある定食です。
肉は噛むほどに味わいが増すコリコリとした食感で、いわゆる部位のクセを甘辛いタレがうまく包み込んでいる印象でした。
ご飯との相性も抜群で、あっという間に完食してしまうおいしさです。
そもそも「あご肉」って?
県外の方には聞き慣れない「あご肉」という名前。実はこれ、肉の部位そのものの正式名称ではなく、豚の頬・顎・こめかみ周辺の肉を指す、霧島市周辺で生まれたご当地グルメの呼び名です。
1頭からわずかしか取れない希少な部位で、以前は廃棄されることも多かったそうですが、地元の精肉店が商品化したことをきっかけに、霧島市・姶良市周辺の「ソウルフード」として親しまれるようになりました。
コリコリとした独特の食感とほどよい脂、噛むほどに広がる旨味が特徴で、店によって使う部位や味付けも少しずつ異なるのだとか。田島食堂のあご肉定食も、まさにこの霧島発のご当地グルメを味わえる一品でした。
併設する「田島本館」について
田島食堂が寄り添うように建つのが、妙見温泉発祥の湯治宿「田島本館」です。
創始者・田島十郎次が約100年以上前にこの地で開業し、以来、霧島山麓から流れる天降川と、犬養の滝のある中津川、二つの川のせせらぎに囲まれた静かな山里で、湯治文化を守り続けてきました。
館内には3種類の源泉があり、神経痛やリウマチ、肩こりに効果があるとされる「神経痛の湯(神の湯)」、傷や肌荒れによいとされる茶色い湯の華が浮かぶ「キズ湯」、やや熱めで胃腸によいとされる「胃腸湯」と、それぞれ異なる泉質・効能を持つのが特徴です。「杖いらずの湯」として長年地元の人々に親しまれ、九州温泉道の認定施設にもなっています。
建物の一部には今も自炊施設が残されており、昔ながらの湯治場らしいのんびりとした雰囲気が息づいています。日帰り入浴も可能なので、田島食堂で食事をした後に立ち寄り湯を楽しむ、という過ごし方もおすすめです。
3匹の看板猫
田島食堂・田島本館の名物といえば、食事やお風呂だけではありません。
敷地内をのんびりお散歩やお昼寝している看板猫「つばめ」、「すずめ」、「ソックス」も、訪れる人たちの人気者です。
猫が自由に行き来できる、どこかのんびりとした空気がこの場所らしさを物語っています。
食事や温泉はもちろん、運が良ければに出会えるのも、田島食堂・田島本館を訪れる楽しみのひとつです。
まとめ
田島食堂は、100年以上の歴史を持つ妙見温泉・田島本館に寄り添うように佇む、素朴で温かみのある食事処です。
ボリューム満点のあご肉定食をはじめ、うどんやカレーなど気軽に楽しめるメニューも揃っており、温泉巡りの合間の食事にぴったりの一軒。
併設する田島本館では3種の源泉を楽しめる日帰り入浴もでき、運が良ければ看板猫のつばめちゃんにも会えるかもしれません。霧島・妙見温泉を訪れる際は、ぜひ立ち寄ってみてください。


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